作用素論的データ解析によるダイナミクス抽出
~ 非線形力学系のデータ駆動モデリングへのアプローチ
データ駆動による力学系の作用素論的解析について、機械学習に関連する手法を中心にお話いただきます。みなさま、奮ってご参加ください。
開催概要
- 日程
- 2019年9月26日(木)13:20 ~
- 場所
- 工学研究科本館 C2-301教室
- 講師
- 河原 吉伸 客員教授
(理研AIP 構造的学習チーム チームリーダー
九州大学 マス・フォア・インダストリ研究所 教授) - 講演概要
- 飛躍的な計測技術・情報インフラの発展を背景に、データ駆動による科学的知識の抽出が近年様々な領域において重要な課題として認識されている。柔軟な統計的モデリングや逆問題へのアプローチを与える機械学習は、このような場面でキーとなる枠組みとして機能する。これに関連して本講演では、多くの科学・工学分野において重要となる、データを用いた動的なプロセスの解析に関して、力学系の作用素論的解析と機械学習に基づいた研究について紹介する。
- 近年、力学系の作用素表現に基づく解析、特にクープマン作用素を用いた解析は、その汎用性や物理的概念とのつながり、また動的モード分解などの推定法の発展もあり多くの分野で注目を集めている。動的モード分解は,非線形性が内在する多次元時系列データから、固有の周期性と減衰率を持つモードへの分解を計算するデータ解析手法として、当初は流体力学分野で提案された。その後、力学系のクープマン作用素を用いた表現との関係を数理的に議論することができることが明らかになり、最近では流体力学分野に限らず、脳科学や地球科学などの複数の科学領域への適用が進むと同時に、工学的応用も散見されるようになってきている。
- 本講演では、上記のような一連の研究に関連して、力学系の作用素表現の推定とその利用について着目し、我々が取り組んでいるものを中心に最近の話題を紹介する。特に、機械学習分野でよく用いられる方法論に基づいた動的モード分解の拡張や、力学系上の計量の導出や学習への利用などについて述べる。この中で、集団運動の解析や脳科学への応用など、いくつかの応用事例についてもふれる。
関連授業のお知らせ
- 日程
- 2019年9月25日(水)~ 9月27日(金) 1~5限
- 授業科目名
- 人工知能総論(博士課程前期課程)・人工知能応用論(博士課程後期課程)[同時開講]
- 担当教員
- 上田 修功 客員教授、河原 吉伸 客員教授
- 場所
- 工学研究科本館 C2-301教室
- 注意点
- ※ 履修に関するお問い合わせは、工学部教務学生係までお願いします。